習志野市および近隣の市でご活躍中の専門家による、こそだて応援コラム。
今回は、悩む方が多い「おむつはずし」に詳しい、こどもと家族の排泄サポート研究所公式サポーターの まきさんによる、「親子の絆を深める排泄コミュニケーション」についてのご提案です。
お子様との穏やかな時間を思い浮かべながら…ぜひご一読くださいね。
目次
おしっこが出ても教えてくれない…
トイレに行こうと誘っても「イヤ!」と即答…
一体いつになったらおむつが外れるんだろう…
おむつ外しへの焦りや苛立ち、不安を感じたことはありませんか?
大きくなるにつれて、おむつ替えは作業になりがちですが、排泄は、こどもが自分のからだを五感で味わう大事な体験です。
「便」という字のとおり、からだの内側を教えてくれるお便りで、こどもにとっては自分のからだの一部でもあります。
だからこそ、こどもが自分のからだと仲良くなっていく時間を同じ目線で過ごすことで、親子の信頼が深まります。
早速ですが、おむつ外しには順序があります。
焦らず段階を追うことで、排泄は自立していきます。
「出た」という感覚を、五感を通して認識していく段階です。
音が聞こえる、目で見える、においがする、肌で感じる…
こうした体験を積み重ねることで、からだの内側と外側の感覚がつながっていきます。
おむつの中に何が出ているのか、とくにおしっこはわかりにくいです。
認識するためには、おもらしも大事なプロセスのひとつになります。
おむつの外とはトイレに限定されるものではなく、「おまたに何も触れていない状態」のことです。
たとえば、おむつを外したらおしっこが出た…という状況は、赤ちゃんの頃にもよくみられますが、おむつ外しの視点では順調だったりします。
場所にこだわらず、おまるやお風呂など、どこなら、いつなら出せそうか、こどもと話しながら決めて、段階的に進めていくのがおすすめです。
補助便座や踏み台など、たくさん種類があって迷うかもしれませんが、こどもによって便座の座り方もさまざまなので、買ったけど使わなかった…なんていう場合もあります。
まずは何も準備せずに始めて、必要に応じてそろえていってくださいね。
始めたくてもトイレに入ったことがない、慣れていなくて不安…という場合は、トイレが身近で安心できる場所になることを優先してください。
おしっこやうんちは、安心して緩むと出てきます。
最初は、出たらラッキーくらいの気持ちで、少しずつ慣れていくといいですね。
排泄コミュニケーションを通して
お子さんの自立をサポート
おもらしは失敗ではなく、五感を通して排泄物を認識するという学びの途中で起きる自然なことです。
とはいえ……拭いて、着替えて、洗って、干して、片付けて…
必要なプロセスだと頭ではわかっていても、期待や不安、疲れなどいろんな感情が複雑に絡みあって、つい怒ってしまうこともあるかもしれません。
私にも、そんな時期がありました。
怒りとして出てきそうなときは、少し距離をとって、「イライラがあるんだね」と、他人事のように自分を眺めてみてください。
感情の奥には、自分が大事にしたいことがあります。
ネガティブな感情は、それが満たされていないというお知らせとしてやってきます。
大きくなりすぎる前に存在を認めてあげることで、少しずつ、心に余白がつくられていきます。
話を戻しますが、おもらしは失敗ではありません。
失敗も成功も、良いも悪いもなく、すべてが大事な経験なんです。
ありがとうとか言ってる余裕なんてないし、なんならイライラしながら脱がせてるわ!
…という現実はさておき(笑)
赤ちゃんのときからおむつをつけてくれたことで、部屋や服が汚れることはなかったと思います。
こどもには、今までおむつをつけてくれたことへのありがとう。
おむつさんには、お世話になったことへのありがとう。
本心から言えそうであれば、ぜひ伝えてあげてくださいね。
「いきなりおむつを外すのはちょっと…」という場合は、少しの間だけ外してみるのもおすすめです。
おむつの中で出すことに慣れている子は、いつもとは違う、おしりがスースーする感覚を味わうことも貴重な体験です。
一日に一回でも、数日に一回でも、出ても出なくても、無理なく穏やかに見守れるタイミングと環境から、ぜひ試してみてください。
そして、どんな状況でも、出たときには、「すっきりしたね!気持ちよかったね!」など、こどもの「快」の感覚に寄り添う声かけをしてくださいね。
排泄は、マズローの欲求階層では生理的欲求や安全欲求に深く関わる部分です。
人間としての根源的な営みが、人として土台となる「安心」「信頼」「尊厳」の根っこを育てます。
排泄を尊重してもらえた経験は、 「私という存在は大切にされている」という記憶として残ります。
これは、包括的性教育の観点からみても重要なことです。
おむつ外しには、正解もマニュアルもありません。
あるのは、「目の前の小さな人がどう感じているか」です。
排泄に関わる時間が、肌やまなざしが触れ合うコミュニケーションとして、親子の絆を深めるものになることを願っています。
不安や疑問などありましたら、気軽にご連絡くださいね。
2025年5月1日
こどもと家族の排泄サポート研究所公式サポーター まき
執筆者
:こどもと家族の排泄サポート研究所公式サポーター まき
どんな人?
:船橋市在住の2児のママ。7歳(小2)女の子と4歳(年中)男の子をこそだて中。
0歳からの自然なおむつ外しアドバイザー、3歳からの幸せおむつ外しアドバイザー、人格構造心理学講師など、多方面の専門的知識をもつ。
活動内容
:親子の排泄コミュニケーションを支援する活動のほか、 「自己対話ファシリテーター」としても活躍中。
連絡先
:下記InstagramアカウントのDM
https://www.instagram.com/shino.ma_yk
または 公式LINEへ
https://line.me/R/ti/p/@467yemoq
2025年5月1日時点
内側で燻っているモヤモヤに光を当てて
パワフルな自分を呼び覚ますお手伝いをしている まきさん
こそだて中はモヤモヤした気持ちになることも多いため
お子さんの排泄のお悩みだけでなく
保護者自身のこころのお悩みも相談可能です
こそだて世帯がかかえやすい悩みを軽減できるような情報をお届けしたく、こそだて中に悩む方が多いトイレトレーニングに関する専門知識をお持ちの まきさんにぜひ!と、コラムの依頼をさせていただきました。
上記のコラムには、こそだて中の多くのご家庭で「すぐに実践できる」内容がギュッと凝縮されています。
編集後記として、こそだて中のママの1人として大切だと考えていることや経験談を、せんえつながら付記させていただきます。
息子のトイトレに悩んだのは、3歳での入園(入園前におむつを外すように、との園からの指示あり)を控えているにも関わらず、思うように進まなくてあせったときでした。
最終的には「こどものこころ/からだの準備が整うまで待とう」とあきらめつつ、何とか入園前にギリギリ間に合ったのですが、気持ちにあせりがある間は、トイレで排泄しようとしない息子にイライラ、そしてイライラしている自分にモヤモヤ、精神的に大変さを感じていました。
まきさんのコラムを拝見して感じたのが、「こどもなりに、自分のペースでステップアップしていたのだな」ということ。
ゴールを見据えると、「入園に間に合わせる」という目標との間にギャップを感じて、あせる気持ちにばかり注目していましたが、「今、少しずつ前進している息子」に注目したら、もう少し肩の力を抜いて、リラックスして過ごせたのかもしれません。
(個人的な考えですが、入園時に間に合わなくても、事情を説明すれば受け入れてもらえるのではないか?とも考えています)
こどものペースに合わせて、じっくり進めていけばOK。
そう、頭では分かっていても、日頃の育児の疲れ/トイレトレーニング中に増える洗濯物/気持ちのあせり、などが複雑に絡み合って、ゆったりした気持ちで向き合えない…!という日もあると思います。
穏やかな気持ちで排泄コミュニケーションをたのしむためには、前提として、こころに余裕があることがとても大切だと、育児経験から感じています。
こころに余裕をもつためには…
定期的に気分転換をすること
自分を大切にする時間をもつこと
この2つがとても大切です。
自分だけの秘密のおやつを食べたり、夜ご飯のメニューを「自分の食べたいもの」を中心に考えてみたり。
そのくらいのことでもOKなので、「自分の気持ち」を(可能な範囲で)優先する時間も、大切にしてみてくださいね。
こどもと過ごす時間には、自分の「やりたい」「こうしたい」という欲求をガマンすることはとても多いですよね。
欲求を抑え込むことがつづくと、ストレスを感じやすくなるなど、日常生活で「つらさ」を感じる機会が少しずつ増えていくと、感じています。
仲良しのママ友
パートナー
信頼できる専門家
身近な人/信頼できる人に「自分の気持ち」を聞いてもらうことで、リフレッシュにつながり、こころ穏やかに過ごせるようになります。
本コラムを執筆してくれた まきさんは、排泄コミュニケションの専門家でもありますが、こころのモヤモヤを軽減するお手伝いをする活動もされています。
こころがモヤモヤしてつらい
自分の気持ちを抑え込む日がつづいていて、自分の感情がよくわからなくなってきた
自分の話をだれか大人に聞いてもらいたい
精神的につらさを感じているけれど、精神科に通うほどではない気がする
そんな状況にある方、そして、まきさんの活動にご興味がある方は、上の*執筆者紹介*から、まきさんのInstagram/公式LINEをチェックしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
えみのわ ならしのこそだて応援隊 yoshimi
2025年5月1日
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